【太陽のような】
私が小中一緒だったあの子にはこの言葉が似合う。
いつも明るく、活発だった女の子である。
ポジティブでつらいことなどないといったようなものであった。
私が嫌なことがあり、ため息をついたときのこと。
「ため息ついたら幸せが逃げちゃうよ!」
などと私を励ましているのかよく分からないことを言ったりもした。
クラスの皆にも明るくフレンドリーであった。
嫌味や悪口を言うこともなく、いつも笑顔であった。
特段嫌な気持ちになったことはない。
むしろそんな彼女は皆から好かれていたように思う。
応援団や班長などもやっていた気がする。
根っからの太陽属ってやつである。
こんな子に出会う度、私は疑問に思う。
太陽のような人は、曇ったり雨になったりしないのだろうかと。
私のような人間は、曇って表情を読ませないようにするものである。
太陽は困ったり大変だったりしても太陽であるのだろうか。
私は彼女の曇った姿を知らない。
それも踏まえて、太陽のような人はすごいと私は思うのだ。
なりすましの太陽のような子とは違い、この子は本物であったのだ。
彼女とは高校が違ったので、それから先のことは知らない。
あの当時太陽のようだった少女は、今でも太陽のような輝きを放っているのだろうか。
彼女の周りには笑顔が咲いているように思う。
なにしろ名前も「あかりちゃん」であったからだ。
照らすには申し分ない名前である。
私の名前が「くもりちゃん」でなくてホッとする曇りの今日この頃である。
2/22/2024, 12:52:01 PM