空想

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怒鳴り超えが今でも耳にこびりついている。どうしてあんなこと言ったんだろ。怒りに身を任せてたらとんでもないことになってしまった。

本当はわかっていた。でも、それを認めたくなかった。
事が起こったあとじゃ、もうどう足掻いてもどうにもならない。

過去を変えることはできないのだ。


「私は大丈夫だから、もう自分を責めないで」

彼女はそう言った。その言葉が私を余計に苦しめた。
彼女は笑顔を作っていたが、傷ついた心を隠せていなかった。その目は怯えている。


今日も前と変わらない日常を送った。友達とバカやって、楽しい時間を過ごす。その中に変わらず彼女もいて、一緒に笑っていた。

このまま、何もなかったことになるのだろうか。


そうなって欲しいと望む自分とそれでは駄目だと言い聞かせる自分が頭の中で戦っていた。 

いっそ、傷ついて私を指させばいいのに。
隠そうとする彼女の優しさが私を苦しめ続ける。


どうしたらいいの、苦しい、嫌、いつ終わるの?


もし、これが彼女の狙いだったら?
そう考えるときには私は、もう彼女の前にいなかった。

5/2/2024, 10:56:20 AM