「もう駄目かもな〜。」
そう言葉にした時、目眩が私を襲った。
「貴方なら出来るわ。頑張って。」
母は、期待に満ちた眼を私に向けた。出来るって、決めつけないでよ。そんな文句を飲み込んだ。
「うん。頑張るよ。」
笑顔を貼り付けて、我慢する自分。気持ち悪い。
「常に一番でいなさい。」
父は、全てを知っているかのように言った。順位なんていう、他人の評価を押し付けないでよ。そんな泣き言を心の奥に閉まった。
「分かってるよ。任せて。」
身ぶり手ぶりで戯ける自分。吐きそうだ。
「糞っ垂れが。」
誰も居ない錆びた公園。その上にある展望台。ここは滅多に人が来ないので、愚痴るのに最適だ。
「自分が出来ない事を、自分のガキに押し付けるなよ。」
空の青さに目を瞑る。
「もう駄目かもな〜。」
視界がグラつく。ご飯を食べた後に激しい運動をするような、臓器が全部上下するような吐き気。風邪を拗らせたような怠さ。もう、疲れた。
他人に心配されるまでは、頑張れ。昔から父が言っていた言葉だ。私はこの言葉が嫌いだ。だって、誰しも心配してくれるような人が居るとは限らないし。隠すのが上手い人だって居る。きっと、自分だけなんだ。自分を心配できるのも、自分を理解できるのも。
「世知辛いな〜。」
寝床でそう思い耽った。
12/16/2024, 2:29:13 PM