とある恋人たちの日常。

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 遅くなってしまった。
 
 残業も残業。
 と言うか、帰る前に大型の救助希望の連絡が入った。
 
 これは帰るのがかなり遅くなるかもしれないな。
 
 そう思った俺は、同棲している恋人に事情を説明した上で『先に寝てね』とメッセージで伝えていたから、多分先に寝ていると……思いたい。
 
 極力音がならないように玄関に入る。彼女が起きていたら真っ先に飛んでくるから、もう眠っているのかな。
 手洗いうがいから始め、寝る支度まで済ませて寝室に行くと彼女が枕を抱きしめて眠っていた。
 
 微妙に眉間に皺を寄せている。
 俺がそばに居ないせいだったら少しだけ嬉しい。
 
 ベッドに入って彼女を後ろから抱きしめる。
 彼女の体温が浸透してくるようで……俺は安心して瞳を閉じた。
 
「おやすみ」
 
 
 
おわり
 
 
 
二五二、瞳をとじて

1/23/2025, 12:48:02 PM