……どこだここ。
私は迷子になってしまったみたいだ。
目から入ってくるのは情報は、動かない信号機と、消えかかった白線。
その光景にぼうっとしていたら、後ろからドンッと衝撃がきて、声がした。
「おい、早く渡れよ。」
「ごめんなさ……」
私は後ろを振り返ってその声の主を見ようとした。
そうしたら、私の目に入ってきたのは信号機だった。
信号機が動いた?いや、信号機が喋った?
なんだろうか、妙な胸騒ぎがした。。
あ、これ夢か。
そう自覚した瞬間、曖昧な夢の風景は白くフラッシュを炊かれたように消え、意識が遠のいた。。
ふぁさっ、っと机の上になにか紙が置かれたのがわかった。
私は目を開けた。
ゆっくり体を起こし、軽く伸びをした。
「やば、休み時間もう終わり?」
休み時間……そうだ。私は休み時間に仮眠をしていたんだった。
とたん、上から声が降ってきた。
「安曇、進路の紙早く出しなさい。」
声の主は担任の先生だとすぐわかった。
「はぁーい」
めんどくさい。
進路とか、分からない。
窓から差し込む光と、窓から見える交差点を見て、また、仮眠した。
『未知の交差点』
10/11/2025, 10:16:09 PM