たった1つの希望
楽しいことが何もない。
そんな私が推しに出会った。
趣味、特技、愛想…何もない。
高校生になってキラキラな生活をすると思ってた。
リアルはひとりぼっち、トイレに行く勇気もなくて教室で1人飯。悲しい。
でもこれまでは推しが居なかった。
推しができた時から世界は変わった。
何もかもがキラキラしていて、お姫様になった気分。
別に、ひとりぼっちが変わったわけじゃない。
けど、いつも通りの日々が楽しくなったんだ。
例えば1人飯。1人だからキラキラな画面を見つめながらご飯を食べれる。最高。推しを眺めながら食べるご飯っていつもより美味しい。
1人の通学も推しの声を聞いてる。楽しい。
ある日、推しのライブが決定した。
絶対に行きたい!
自分から何かを頼むのは何年振りなのか…母さんはびっくりしながらもお小遣いでなら、とOKしてくれた。
悲しいことに、嬉しいことに?全くお金を使わない生活だったから沢山のお金がある。
ライブは3ヶ月後。
推しの目に入るなら可愛く、綺麗に、覚えてもらいたい!
ボサボサだった髪は苦手な美容室に行って整えてもらい、中2を最後に行ってなかった服屋で推し色の可愛い洋服を手に入れた。笑顔の練習もした、ペンライトも買った。完璧!
前より笑顔が増えた。ライブで休むからって学校の予習をして点数も増えた。
趣味、特技…持ってなかった。
これは推しに会ったから。
前髪も完璧!ペンラにメイク道具、サインしてもらう用のグッズ!準備はできた!いざ出陣!
行ってきます!
こんなに笑顔で家を出たのは初めてかも。
ライブは最高だった。
何回も目が合ったような気がする。
ライブ後の握手会。
可愛い…!大好きです!ずっとずっと、永遠に愛してます!生きる希望です!服の色も揃えたんです、!
『私が?嬉しいな。今度はスカートお揃いにして来てよ!君ならきっと可愛いよ、また来てね♡』
たった1つの希望から、たくさんの幸せ。
3/3/2024, 6:57:45 AM