先程まで澄んでいた空の色が、少し目を離した隙に濁った雲で隠れていた。
冬らしい雲の色。この景色を見たあとはだいたい、白くて冷たい、雪が降る。
初めはゆっくり、ハラハラと、見惚れる程に綺麗なそれも、時間が経つにつれて、目で追うのも大変なくらいたくさん降ってくるものだから、降り始めだけは眺めていたかった。
急いで玄関まで行き、靴のかかとを踏み潰しながら外へ出る。どれだけ冷たい空気が肌を撫でようと、白い息を吐きながら空を見上げて、頬に触れるその冷たさを時折マフラーで撫でながら楽しむ。
「………さむっ」
夜でも、空は澄んで見える。昼間とは少し違う、透き通った空だ。月や星が、それをより引き立たせてくれる、のだけれど。雪雲によって濁る今の空は、綺麗、とは言い難い。だがそれは、あくまで『空』の話。上が濁っている代わりに、下では儚げに淡く光る雪が目立っていた。暗くても、よく見える。まるで自分から光を放っているかのように、よく、見える。それはあまりにも、綺麗な景色だった。
しかしこれは、太陽が登れば綺麗ではなくなる。土の色、踏まれた時に移る色、などが、雪の色と混ざっているのがハッキリと見えてしまうから。
12/26/2025, 12:31:43 PM