せつか

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真っ青な空、瓦屋根やビルの窓に残った水滴が太陽に反射してキラキラと輝く。
視線をゆっくり下げていくと、背の低い薔薇の葉の真ん中に、ビー玉みたいな雨粒が揺れていた。
子供達がわざと水溜まりに足をつけながら、バチャバチャと音を立てて走っていく。跳ねた泥水が白い靴下や薄いピンクのスカートを汚していく。帰ったらきっと、母親に叱られてしまうだろう。

畳んだ傘の水を払って、もう一度空を見上げる。

「·····あ」
遠くの山に、虹が一本かかっていた。


END


「雨上がり」

6/1/2025, 12:43:19 PM