今日は機嫌がいいな。窓際で揺れるカーテンを見てそう思った。
眠気のピークを迎える午後一発目の授業は、寝落ち防止にカーテンを眺めるようにしている。はじめはただの暇つぶしだったが、風の纏い方や日差しの好き通り方が日々違うことに気付いてからは眺める行為そのものが楽しくなってきたのだ。例えるなら猫の尻尾、電話口の母の声、近所の定食屋の味噌汁の具のような気まぐれっぷりを含んだ表現がそこにある。
首の後ろを容赦なく焼き付けていた苛烈さがなりをひそめた秋口の陽光を、柔らかくその身に纏ったカーテンは今週のベストオブカーテンかもしれない。
10/12/2023, 6:57:57 AM