安倍川 もち子

Open App

あの子がいなくなって、もう5年になる。

カレンダーをぼんやり眺めながら、
私はまた迫ってくる悲しみに備えた。

つい昨日の出来事のように感じるのに、
時間は正確に流れてく。

流れなくていい。
いっそ、あの別れの日のまま、
時間が止まってくれればいいとさえ思う。


あの子のふわふわとした毛並みの感触や、ほっとする
体温、ひだまりのような匂い。

日々の中でのあの子の仕草。

そんなことがどんどんおぼろげになっていくくらいなら、あの時のまま、空虚な時間の中にいたい。

無色の世界に…



「…会いたいな…
 会いたいよ…」

どうしたって叶わない願いは、私からは消えない。

4/19/2026, 7:21:10 AM