『母』
音を立てて
綺麗な青に吸い込まれた
クラリクラリ
光が揺れて
コポリコポリ
泡が産まれた
無限の色が踊っている
母なる海に吸い込まれた
巨大な青は
冷たくて恐ろしい
だけどそれは
この世の全ての母と同じ
いつも水仕事で冷えた手で
抱きしめてくれた母と同じ
進むべき道を誤ったら
叱ってくれる母と同じ
冷たくて恐ろしくて何もかもを包んでくれる
だから寂しくない。
真っ暗な海の底で
己の体が朽ちようとも
母さんのもとに還れるのだから。
僕は懐かしい夢ををみながら
どこまでも沈んでゆく。
1/20/2023, 12:42:16 PM