真黒な美しき怪物よどうか、僕を抱いてくれ。君の大きな体は沢山の命を湛えていて、その下には多くの死が眠っている。真黒な夜の海の下。そこには静かな揺らぎがあって。いつも僕を待っている。いつか誰もが行くところ。僕の大叔父さんもそこにいて。僕をいつも待っている。渚に足を浸すと、溢れたインクの様に黒くてしっとりした手が僕を優しく引っ張る。いつか行きます。待っていて下さい。黒い怪物に静かに呟く。彼は何度も何度も僕に触って返事をする。
8/15/2022, 1:05:14 PM