「素足のままで」
毎年訪れる海。
新調したビーチサンダルを履いて来たのに、砂浜まで来ると脱ぎ捨てたくなる衝動に駆られてしまう。
プールと違って海は着替えがめんどくさい。水着の中に砂が入るし、体もベタベタになる。
だが、このワクワクは止められない。否、止めてはいけないのかもしれない。
このワクワクが我々人類を、この地位まで連れてきたのだから。
満を持してビーチサンダルを脱ぎ捨て、浜辺に舞い降りる。
が、一粒一粒が熱された鉄のような砂に飛び上がってしまう。
辛うじて辿り着いた波打ち際では、足裏に小さな虫がまとわりつく感覚に寒気を覚える。
結局すぐにビーチサンダルに舞戻るのが、私の毎年のルーティーンだ。
8/26/2025, 12:47:17 PM