その言葉は俺の恋人を思い出す。
手を伸ばしても届かないそれ。
俺にとっても、星はそんな存在だと思っていた。
「どうしましたか?」
視界に彼女がいっぱい広がる。
愛しい恋人が目の前に寄り添ってくれていた。
「あ、うん……」
手を伸ばして彼女の頬に添えると、嬉しそうに俺の手を取って頬擦りしてくれる。
彼女は今、俺のそばにいてくれるんだ。
星に手が届いた。
俺だけの星に。
おわり
二九九、星
3/11/2025, 12:06:31 PM