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 世界が終わるとしたら、なんて馬鹿な空想をしてなんになる。
 そんなこと、現代の科学では予測不能で、予測できたとしても回避不能だからだ。
 そうでなくとも、人ひとりの短い命の中でそんな危機に遭遇する可能性は如何程のものか。

 けれど、ふと、頭に霞がかかる。
 世界が終わるというのはどういうことだろう、と。
 温暖化で人間が住むに適さなくなることを言うのか。それとも、宇宙人に侵略されて居場所がなるなることを言うのか。
 どちらもないなと笑い飛ばした。
 では、世界の終わりとは?
 考えて、考えるのはただひとりのこと。
 この世界が終わることには実感はなく、恐怖もなく。
 だけど、君がいなくなるのは想像するだけで辛く、指先が冷えていく感覚がした。
 世界が終わるときというのはきっと、君がいなくなるときだ。
 それなら、最後の最期まで側にいたい。どんな関係でもいい。ただ隣に寄り添って。でも、できれば、冷えゆく手に温もりを与えられる存在として。

6/7/2024, 8:02:14 PM