何か毒気の物が 身体に浸潤してきてしまった様だ
落ち着かない… いや落ち着けない
ひとり外に飛び出し だいぶ離れた草原にある
大きな木の根元に 隠れるように座り込んだ
う“っ …!! マズい…!
うずくまっていると 妖族の彼が追ってきた
静かに私の肩に腕を回し 支えるように屈むと
左手から小さな炎を出す
あぁ … 。。 。。
その炎を見つめると 身体に回ったはずの
毒気が静かに 消えていく感覚を感じた
その炎は毒… 黒気の毒を消滅させるという
暖かく 徐々に落ち着きが戻ってくる
大丈夫か?
…うん、 だいぶ落ち着いてきた…。
もう大丈夫だ…落ち着いたのを感じた彼は
さあ、そろそろ家に帰ろう。
肩に回していた腕で 立ち上がるのを支え
左手の炎をそのまま灯りにし
ふたり寄り添うように湖畔に建つ小さな家に
帰って行った
〈 紅の記憶 〉
11/23/2025, 6:02:11 AM