『ことばの架け橋』
かつて、
言葉は 矢のように飛んでいた
ただ 自分の想いを まっすぐに放っていた
だけど ある日
届かない矢が 静かに地に落ちた
何も傷つけず 何も残せず
そのとき 初めて知ったんだ
伝えることと 伝わることは
同じようで まるで違うって
それから君は
耳を澄ませるようになった
相手の声にならない声に
目に見えない色に 気配に
そして今
言葉は矢じゃない
架け橋になったんだ
君と 誰かのあいだにかかる 細くて 強い橋
強くなくてもいい
完璧じゃなくてもいい
でも 誰かが渡ってくることを 願って紡ぐ
今日も君は
届く言葉を 探し続けている
その優しさが 言葉になる日を信じて
5/26/2025, 1:43:19 AM