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「あ゛ーーーあああ……」

外での仕事。仲間と打ち合わせしてっとちょっと離れたところで君の悲鳴にも似た叫び声というか泣き声というかなんというか聞き慣れた声が聞こえてきた。

「…行かなくていいの?」
「…理由、わかんだろ」

まぁね、と仲間が笑う。やれやれ、そうは言っても行ってやらないと後で拗ねられる。それも可愛いけどな、と思いつつ俺は過保護だねぇと笑う仲間のところから君に近づいた。
立ち尽くす君の足元に可愛い子猫が2匹にゃん。
彼は猫が苦手なのだ(嫌いではなくあくまでも苦手と力説する)まさににっちもさっちもいかない状況。

「かーわい!」
「こ、ここの、飼い猫だって!笑顔で!係の人!去って行った!」
「まぁこの世に猫が苦手な奴がいるとは思えねーもんな。アレルギーの人ならすく立ち去るし」
「た、たちさりたい!」

でも猫は彼の足元を行ったり来たり。俺はしゃがみ込んで猫ちゃんに手を伸ばす。

「ほーれほれほれ、このおにーさんはこんなに可愛い君たちが苦手なんだよー」

子猫たちが俺の手に近づいた隙を見てささっと俺の後ろに逃げる君。俺はぷぷっとひと笑い。

「まったく、猫みたいなおにーさんなのにねぇ」
「ねこじゃないもん」

そう不貞腐れつつ俺の背に隠れる君はますます猫みたいで、みんなが見てなかったらなでなでするのになーと俺は思ったわけでした。




▼子猫


11/16/2023, 2:32:30 AM