「終わらない物語」
これは君が僕の名を呼んでくれるまで終わらない物語。
僕は妖精。名前を呼ばれると命が消える妖精。
あるときつまらなさそうにして歩く君を見かけたから、僕は揶揄うことにした。ついでに、やめて欲しけりゃ僕の名を呼んでみろと、そう言った。
はじめはいろいろ名前を人や花の名前を呼んでみた君。
楽しそうだった。
僕も楽しかった。
でも、だんだん君はこの森に来なくなった。
最後に来たのはいつだったろう。
いつまで僕を使う待たせるの?
何十年、何百年、僕の名前を呼ばないつもり?
ねぇ、僕の名前を呼んでよ。
いたずらも物語も終われないよ。
お願い、早く名前を呼んで。
僕の名前は───。
1/26/2025, 11:30:02 AM