【夢と現実】
あるところにどれだけ寝ても寝足りない
いつまででも寝れる子供がおりました
その子供は現実では大人たちが言う
”みんなが幸せ”という世界は
あり得ないのだと知っていました
ですから自分の好きに振る舞える夢の中で
それを実現しようとしたのです
夢の中である怪物が言いました
幸せに笑っている奴が憎いのだと
だけどその子供はどうして憎く思ってしまうのか
理解できません
「自分も笑ったら楽しい気持ちになれるのかも」
そう答えた子供が笑って見せると
その怪物は怒り出しました
手が付けられなくなった怪物に背を向けて逃げながら
『僕だって楽しくて笑っているわけじゃないのに』
そう思ったところで既視感を覚えます
現実でも身に覚えがありました
誰だって楽しくて笑ってるわけじゃなくて
幸せになろうとして笑おうとしてるのだと分かりました
でも遠くで喚く怪物に近寄る勇気はありません
本当に苦しんでる人にかけられるような
魔法は無いんだと自分の作り出した世界で
理解した子供は目を覚ましました
あの怪物のように喚くアレに触れないように
今日も大人のふりをするのです
2024-12-04
12/4/2024, 1:02:27 PM