#あなたとわたし
わたしに「ある」感覚が、あなたには「ない」。
あなたに「ある」感覚が、わたしには「ない」。
同じ人間という生物なのに、まるで全く違う生き物のように感じてしまう。
“好きな人と、手を繋いだ。キスをした。それ以上をした。”
目をうっとりさせて、キミは頬を赤くした。人間が勝手に設定した“大人”の年齢を過ぎて数年経っても、未だにわからない感覚にワタシは首を傾げた。
「だって、それが愛でしょう?」
それが愛の証明であるかのように、言い切った。
さも当然かのように。
「まだ本当に好きな人に出会ってないだけだよ」
『ワタシはわからない』に返されるアンサーは決まってこうだ。
違うのだ。
ワタシは、本当にわからない。
わからない出来事が起こるたび、ワタシは自分自身を疑った。
同じ人間という生物なのに、どうしてワタシはわからない?
どうしてワタシには、その感覚がない?
――――ワタシは、どこか欠けているのだろうか?
11/8/2023, 9:04:32 AM