久々の創作:
「降り止まない雨」を目の前に携えて二人は屋根下で動けなくなっていた。
「帰れなくなりそうだね」
「傘をお互いに忘れるなんてね」
嘘だ。目の前に君と少しでも長く一緒にいるためについた嘘だった。二人は入れるであろう「おおきな嘘」を鞄に入れたまま、君と雨宿りをする。
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「本当は知ってるよ」
「君が鞄を弄る時」
「折り畳み傘が見えたんだよ」
「すこしのおおきな嘘に私も付き合ってあげよう」
一時間、君とお話をしよう。
No.10
5/25/2024, 1:35:53 PM