午後の授業が何となく面倒になって不良のように授業をサボってた午後14時。
いつもは真面目に受けるしサボったりはしないけど、今日は電池が切れたようにぷつんとやる気がなくなった。
とうとう座ることも億劫になってゴロンと硬いコンクリートに寝転がる。
「…かたっ、」
もちろんふかふかなはずもなく。
ごちん、と鈍い音がした後に頭部に鋭い痛みがはしった。
今日は何だかツイてない。
もういっその事帰ってしまおうか。
あ、でも放課後に先生に会いに行くルーティンが崩れるのはちょっといやだ。
「どーしようかなぁ〜」
「なにが?」
「へぇっ!?!?」
独り言で呟いた言葉にまさか返事が来るとは。
慌ててドアの方を見れば、珍しく白衣を着た先生。
国語系の先生なのに白衣を着てるのは未だに謎。
「貴方こんなところで何してるのよ、」
全て見透かしたような笑みを零した先生は手から何かをこちらに投げた。
慌てて両手でそれを受け取る。
それは紙パックの苺ミルクだった。可愛いチョイス。
「…まぁ、サボりたい日もあるよね。今日は特別、俺もサボっちゃおうかしら」
「……先生は働かなくちゃダメですよ」
「えぇ、横暴!ほら、生徒を見守るのも教師の仕事ってことでさ!」
よく分からない理論を展開した先生は私の隣に座ってそのまま横にころがった。
上から見下ろす先生もめちゃめちゃにかっこいい。
気の抜けたような表情をする先生が好きだ。
私にトクベツに優しい先生が好き、だ。
「先生、月が綺麗ですね」
「………雨がやみませんね、」
ぽつりと零した先生の声は少し震えていた。
その日の大空は嫌になるほど眩しい快晴だった。
2023.12.21『大空』
12/21/2023, 2:18:53 PM