NoName

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如何して気付いてやれなかったんだ。
お前はこの世界を、必死で生き抜いてきたのに。
誰よりも優しくて、健気で、愛に溢れていて。その根底にある想いは只一つ。『皆が幸せに天寿を全うする』。それだけだった。
なのに、こうも世界は、人間を残酷な運命に閉じ込めてしまうのだ。

それに気付いた時には遅かった。
引かれた境界線は、越えたくても越えられなくて。お前はいつも通りの笑みで此方を見つめている。
まるで、「また会えますよ」と言いたげに。

そうかもしれない。屹度俺等はまた巡り会える。その時は、その時こそは、お前のSOSを、ちゃんと聞き届けるから。ちゃんと、絶対、手を差し伸べるから。

お前は人の死を見過ぎた。見過ぎて、絶望した。俺等はずっと、お前に護られていた。

手遅れな手は、虚空を切る。



「…また、もう一度、会いましょうね」










*タイムオーバー

*人生 を 再スタート しますか ?

▼ YES
  NO

*人生 を リスタート します。










時が告げられる。
また、絶望の幕が開ける。



「初めまして」

「…あ"?誰だお前」

9/6/2024, 4:16:14 PM