ななしさん

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僕は電車とかけっこをしていた
ホームに来たら周りの人たちは走って電車に乗り込もうとする
もうすぐで電車が発車しそうだから
僕はそんな人たちとは違うと思いたかったという救いようのない同族嫌悪の思想を抱きながら、そしてあとは疲れていたから走らずその電車を見送りながら、電車の横を2人並んで歩くようにホームを歩いた
そうだな、わざわざ走ってまで電車に乗り込まなかった真の理由は周りの目があったからかもしれない、目立ちたくないのだ
何人かは走って電車に乗り込むと言ってもそれは、少数派だから

そして、電車は走り出した
僕は先程とは裏腹にその電車を横目にして、走りたいという衝動に駆られた
まだ初速で遅い電車に勝てるかもしれないとも思い、走っていた
この時の僕は、もう周りの目など気にしていなかった

7/31/2025, 10:03:35 AM