神社には色んな人が願いに来る。
それは良きものも、悪きものも、
尊きものも、愚かしきものもある。
その願いも大切なモノであり、切実なモノ。
だが、
全能の神でもなければ、奇跡を操る神でもなし。
全ての願いを叶えてやるすべはない。
無限の神通力もない。
故に…
選ばざるを得ない。
選んでも、確実に叶えてやれるわけではない。
ただ少し運気を傾け、縁を授けるだけである。
そうしてやっと、複数の願いが叶う手伝いができるわけです。
そんな神様の願い事は、願いを確実に叶えてやりたいというもの。
たとえ、一つだけでもいい。
運気でも縁でもどうしようもない、そんな願いをたくさん聞いてきた。
その願いが、傲慢で、ワガママで、他力本願ならば捨てる。
だが、真に尊く、清く、ささやか且つ神様が叶えることのできない願い。その願いを叶えてあげたかった。
神様のたった一つの願い。叶えてあげたい一つの願い。
誰が叶えてくれるというのか。
お題「一つだけ」
4/3/2024, 11:04:22 AM