城寒
赤オレンジ色のレンガの壁
黒いタイルの床
風と共に揺れる白髪と、十字架デザインが入る白マント
トントントン
『お嬢様、入りますね』
ガチャ…
『おじょ………』
漆赤のドレスを着て
お嬢様が寝ていらっしゃる
『〇〇…微笑んだ顔をして寝てるなんてな…』
荼毘と呼ばれる轟燈矢は、ヴィラン騎士団の騎士団長だ
近くにある小さな窓の風が彼女に優しく当たっている。
荼毘『〇〇寒くないのかよ、風邪ひくぞ』
穏やかな晴天の中、優しい太陽の
日差しが入る〇〇の部屋に
ソッと小さな窓を閉める荼毘は、彼女の寝顔を見て
小さく微笑みながら〇〇のお腹を枕として
熟睡に入りそうなのだ
荼毘『俺たちが、お前を人質として捕らえたのに今更、俺の彼女なんだから…』
スゥスゥ………
荼毘と〇〇が出会う前に、
夜神月が雄英王国に忍び込みキラと名乗っていた。
夜神『ココだな…』
大きな宮殿がある。
〇〇は、キラと名乗る男に優しく振る舞っていたのだ。
〇〇『キラさん、これはシフォンケーキです。フワフワしてて美味しいですよ』
キラ(夜神月)『シフォン?』
彼は雄英王国の宮殿で〇〇の執事長として働き出し、
シフォンケーキを手に取り、一口食べた。
夜神『美味しいです』
夜神(まだ〇〇は、俺がヴィラン帝国のスパイだと知られていない…)
次の夜に〇〇の許嫁である切島鉛児郎王子宛の手紙を 書き、大広間の机に添えて、雄英王国の城から逃げ出した。それを目撃した夜神月が駆け付けた。
キラ(夜神月)『〇〇様、何処に行くんです?』
〇〇『雄英の民、雄英宮殿の人たちが知らない遠くの場所…もう…雄英王国の宮殿に居たくないの…』
涙を流す女
キラ(夜神)(死柄木に伝えるか)
深夜23時過ぎに女は宮殿から逃げ出す。
キラ(夜神月)『…今だ』
夜神月はヴィラン帝国のスパイだと知らない女にヴィラン帝国のマントを羽織りながら荼毘の集団[ヴィラン騎士団]を連れて来て待機していたのだ
1番先頭に轟燈矢こと荼毘がいる。そして泣いて走る女
〇〇がいた。
荼毘(女を捕まえるか…)
タッタッタ………
〇〇『お助け下さい!!』
キラ(夜神月)『ん?』
夜神月は〇〇を人質としてヴィラン帝国へと迎える前に
無言で遠くの女を見やる。
女は先頭にいた荼毘に助けを求めたのだ
夜神(荼毘に助けを?)
荼毘は拘束具を忍び込みながら〇〇に問う
荼毘『おい、何処に行く?』
〇〇『雄英の人が知らない遠くの場所…』
荼毘は小さくニヤリと笑い一緒に行こうと〇〇に誘ったのだ。
それから1ヶ月
荼毘と〇〇は、恋人関係としての恋愛が始まったのだ
〇〇の部屋の外の廊下から
コツコツコツと音が鳴り響く
ガチャ
『入るぞ』
『2人とも寝てる…』
『〇〇と、とーやくん笑顔がカワイィねぇ
次々と入って来たのはヴィラン帝国の国王
死柄木弔と呼ばれる志村転孤
ヴィラン騎士団の副騎士団長のトガヒミコと、
騎士団所属のスピナー、MRコンプレスだった
スピナー『俺も荼毘になりたいぜー』
MRコンプレス『2人のお邪魔しているようですし…』
高い位置に白髪ポニーテールをして
純黒マントを羽織る死柄木がポツリと言葉を放つ
『お前ら3人とも〇〇の部屋から出ろ』
3人『え!?』
トガ『なんでですかぁ?』
死柄木は3人の背中を強引に押しながら外へと追い出し
〇〇と荼毘と死柄木だけになった。
死柄木(穏やかに寝ているな。まるで〇〇はまだ人質だと思っていないのだから………)
2人の肌が鳥肌していた
死柄木『寒いだろう』
〇〇と荼毘に毛布を掛ける死柄木弔こと志村転孤
死柄木(可愛い奴だな)
死柄木も〇〇と荼毘を包み込むように近くで熟睡した
その遠くから夜神月が大きな扉を少し開けて3人を見やる。
夜神(〇〇が幸せそうで何よりだ)
夜神月は無言で微笑みながら大きな扉を閉めて
仕事に臨む彼だった
[完]
2025年5月2日(金)に見た夢を夢小説化しました。
5/1/2025, 11:38:57 PM