欲しいものを欲しいと強請れる子供でいたかった。いつか見たあの黄色のワンピースが忘れられず、あの時に問われた優しい声色に頷くことができなかった。後ろ髪を引かれながらも、私自身が手放した黄色を背に去るあの心が、なんだかもうどうしてやることもできなくて。たった布切れ一枚の話さ、それでも私の心はしばらく陽気さを失った。欲しいものが欲しいと強請れる子供でいたかった。それは大人になっても相も変わらず残っている。なんだか悲しいね。
10/7/2025, 1:51:06 PM