声が聞こえる音が鮮明になっていく。木々が風に揺らされ木漏れ日が私の顔に降り注ぐ。葉っぱのかすれる音が聞こえる。でも、それだけじゃない。誰かが私を呼んでる気がする。はっきりとは聞こえない。でも、どこか懐かしいような、愛おしいような、私のぽっかり空いた穴にピッタリはまる、そんな音。私はどうしてもその正体が知りたくて耳を澄まし、目をそっと開けた。ああ、そうだ。あなたの音だ。姿形が変わろうとも、あなたのその足音だけは変わらない。私の初夏の訪れ。
9/22/2024, 4:33:34 PM