夏
うだるような暑さの中、流れる汗がキラキラと太陽に反射して、手を差し出して笑う君が誰よりも眩しかった。
天気は快晴で青空と呼ぶにふさわしい空で、雲一つなかった。
こんな暑さだと言うのに、はしゃぎ合って、走り出したくなる衝動にかられながら、いつもの場所へと急ぐ。
大人たちが近づかないその場所は、子どもたちにとって秘密基地みたいなもので、好き勝手やって遊ぶのが好きだった。
夏なんて、ただ暑い季節で、早く涼しくなればいい、と思うことが増えていって、走ることなんてもうしたくないと体が悲鳴を上げる歳になった。
それでも、あの頃の僕らは、大人なんかにはわからないその刹那を、誰よりも楽しんでいたと思う。
6/28/2023, 1:50:05 PM