黄金色の斜陽が貴方の目を刺す。
私はそれをファインダー越しに見つめる。
貴方はいつもここにいるのに、私はいつも貴方を見失ってしまう。
紫色のパンジーが風と踊り、私の目を奪う。
私は、貴方の少し後ろで。貴方と同じものを見ていたい。
しかし貴方はいつも、どこか私の知らないものを見ている。
また私も、貴方を見ているようで自分しか見ていない。
私達には、そのくらいがちょうどいいのかもしれない。
でも、私は彼の左手を捕まえ、目を見て笑顔で問う。
「ねぇ、なにみてるの?」
3/12/2023, 4:40:56 PM