青年はソファで雑誌を見ていると、当たり前のようにある星座占いに目が行った。今回は時事的な占い結果ではなく、相性占いの特集が組まれていて、つい気になった。
「そう言えば、何座だっけ?」
隣で青年に体重を預けてぼんやりとしていた恋人に声をかけると、彼女は身体を起こしながら首を傾げた。
「? 私はおひつじ座です」
「俺はしし座」
ペらりとページをめくり、しし座とおひつじ座の相性を見ていく。彼女も気になったのか、雑誌が見えるような体勢で青年に体重を預けた。
「えっとなになに? エレメントも同じで相性抜群。お互いを尊重し合い良好な関係を築けます。だって!」
その内容にお互いに目を丸くし、同じタイミングで声を出して笑ってしまった。
「正直さ。星座の相性とか関係なくて、俺は君の個人を見て好きになったんだけれど、なんか裏づけられちゃったね」
くすくすと笑いながら彼女も首を縦に振る。
「私も、あなた個人を好きになったのに背中押してもらって凄く嬉しいです!」
青年は雑誌をテーブルに置いて、彼女の腰に腕を回した。
「星座なんで実際関係ないとは思うけれどね。でも色々相性が良いというのは納得しちゃう」
青年はそう告げると、彼女の額に優しくキスを贈った。
おわり
一四二、星座
10/5/2024, 12:01:04 PM