22時17分

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空に向かって延びる階段があった。
トマソン建築というものだ。無用の長物。展示されている芸術品のように、周囲に異彩のみを放っている。
階段の周りは色の失ったバイオームが広がっており、つまりは砂漠だ。空から大量の砂を降らせ、すべてを埋没させたのだ、と錯覚するような、大砂海。
しかし、飲水などを心配することはない。この世界はゲームで出来ている。類似するものをいえば、マイクラだろうか。原子ではない、世界は。ブロックで出来ている。ブロックが積まれて、出来ている。

一体どこまで続いているのだろう……。
興味を持った少女(アバター)は、気の向くままに。くだんの建築に近づいていった。
砂漠の色がそのまま延びたようだった。支柱は、何処にもない。当然の話だ。ブロックで出来ているのだから空中に浮かんでいても、さほど不思議でもない。
幅は1✕3のブロック。横が3だ。
段数は……分からない。数える気が失せるほどに続いており、遠近法に従って細くなっている。肉眼では100段から先は無限と同じだ。そのことを、ゲーム画面でも明瞭に理解する。階段とは、そういうものだ。現実でも似た作りをしている。

プレイヤーの意思に従って、2頭身の少女はジャンブをしながら階段を登っていく。一ブロックずつ一段、一段……。一段飛ばしをしたくなるほどだが、そこまでの反射神経は搭載されていない。横に広いが縦に狭い。足の踏み場はシビア。2面の接着面は角と角。角の上に角が乗っている感じ。建築法違反だ。絶対に子どもが作っている。あるいは社会に出たことのない不登校か。

手すりはない。だから、慎重さを求められる。忍耐ゲーを思い出した。落下判定にダメージは付き物。体力ゲージがあるので、足を踏み外したら命を落とすだろう。
階段のみが永遠に続いている。だが、150を越えた辺りから、段の表面積が増加した。

2✕3ブロックに増加した。歩きやすく登りやすい。
そして、平坦になった。


(あとで)

4/3/2025, 9:33:59 AM