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"星になる"

ある冬の夜。冷えた体を冬用の毛布と布団の間にねじ込み、温まっていく布団を感じながら眠りについた。

ふと目を開けると時計の短針は2を指し示している。
先程までぐっすりと寝ていたのに妙に意識がはっきりとしている。

これは30分目を瞑ったとて寝付けないと直感して、毛布を体の上からどかして一階へ降りる。

牛乳をコップに注いで電子レンジへ

特に何をするでもなく、キッチンに寄りかかって、くるくると回るコップを見つめていた。

ふと、月明かりに手元が照らされているのに気づく。
こんな時間なのに、こんなに明るいなんて

ふらふらと窓に近づいて眺めてみると、真っ黒な夜空にポツンとひとつ、満月が漂っていた。

周りにはあるはずの星が見えなかった。
それは、明るすぎる満月に消されているから

星は心地よいのかな、それとも自らの存在を消す明るすぎる存在に嫉妬で狂うかしら

あり得る二択の正反対さに思わず笑みをこぼして、星に願いを込める。

すると後ろからホットミルクが出来上がった音が聞こえてくる。

私は嫉妬、侮蔑、尊敬が入り混じった一瞥を月に捧げて、窓の側から身を離した。

12/14/2025, 10:50:12 AM