たちばな

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拝啓 ○○○○○、○○○○○

月だ
月を見ることにしよう

僕達は最初の瞬間から月に見守られているのだそうだ


うさぎがいるらしいとは知っている



・ランドセルを背負い始めの5月6日に見たうさぎは実に鮮やかだった。

幸せがあった



・2階の教室に座った7月25日に見たうさぎは餅をついていた。

幸せがあった



・通学帽がくたびれた10月6日に見たうさぎはうさぎの形をしていた。

幸せがあった。



・罪悪感を楽しんだ2月11日に見たうさぎはよく覚えていない。

幸せがあった



・電車に揺られながら寝過ごした12月23日に見たうさぎはもう既に知っていた。

幸せがあった



・軽トラの荷台で疲れた体を横たえながら、5月15日に見たうさぎは新鮮だった。

幸せがあった



・9月17日のお月見に見たうさぎは良いうさぎだった。

幸せがあった




いつも逃げないあのうさぎ

月は僕に幸せを反射していた

このことについては、どうやら僕はツイてるらしい
最近知ったんだけれども




でも僕は、

月が教えてくれる光を触ったことがない

あの裏側に何があるのか

僕はまだ知らない



ここだけの話、月は一つじゃないし、
僕だってたくさんの月を見たんだぜ


でも、

どの月にもいつもうさぎがいるんだな
だから本当のところは結局わからず終い



だから僕も、月に行ってみたい
宇宙船だって買うつもりなんだ


見守ってみたいよ



追伸
忘れてください。
きっと次のお月見のころには僕だって迷子になりそですから。




















答え
「夫婦」

11/22/2024, 11:41:38 AM