uni。

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間が空いてしまったので、全て短くはなってしまいましたが。




あのね、こんなに大変だったの。

「可哀想に」「お疲れ様」「大変だったね」「頑張ったね」「応援してるから」「君ならできるよ」

うん、そうなの。
ありがとう、ありがとう。

ぼくは、たっぷり甘えて、生きていく。


『同情』




ミシシファミミシミミファミー

自分が片手でしか弾けないそれをいとも容易く弾きこなす。

鍵盤の上を滑る指。

根元でざっくりと落として、刺身にして。
お醤油か、お塩を少々。
ぱっくりと食べてしまおうか。


『お気に入り』




誰か。

世界か、世間か、アイツらか。

親、先輩、上司、後輩、クラスメイト、エトセトラ。もしかして、自分自身?

いつまでも告げられず、いつまでも満足しない。

何時までも、目的もなく、ただ瞼は閉じずに起き続ける。

これは、報復だ。


『今日にさよなら』





「おじいちゃん!お誕生日おめでとう!」

可愛い可愛い孫が、少し危なっかしい足取りで、両手に包みを抱えたまま走ってくる。

「ありがとうねぇ」

零れる笑みで、余すことなく感謝を伝える。

「今開けてよ!」

急かされながら解いていくと、クレヨンでいっぱいに満たされた画用紙、暖かそうな帽子、つたない文字の手紙。あとは、と。

「なんだい、これは」

「それは、オマケ」
後ろから遅れて入ってきた子どもたちがメガネを真っ白にしながら付け加えた。

「ぼくがね、貼ってあげるんだ!!」


『枯葉』

2/20/2023, 1:14:36 PM