【もう二度と】
やあ元気かい?
さほど時間は経ってないだろうと
此処に来たけれど
時間が経つのは意外と早いもんだね
こういうところがあるから
周りから人が居なくなるのだろうか
語るのはこの辺にしておいて
今日も聞いてくれるかい?
もう二度と、感じたくない
あの時みたいのはもう勘弁して欲しい
よくこの話をしていたから
前だったら書くのをやめていたかもしれないけど
違う場所にきて、新しく始めたから
もう一度話してもいいだろう
仲のいい友達がいた
なんでも話せて、気が楽だった。
相談事をお互いし合って
まさに戦友と呼べる友達だった。
ここでは戦友の友を取って
ユウとでも呼ぼう。
ユウは昔から優等生だった。
勉強ができて、誰とても仲良くしている
そんな人だった。
でも大人からの圧から出来た優等生という感じがして
会った時から苦しそうだったのをよく覚えている
僕と一緒にいる時は苦しいのを忘れて、気を抜いていた
ずっとこのまま気が休まる場所として僕が居るといいな
なんてそんなことを思っていた。
しかしそんな上手くいくはずもなく、
僕たちはおかしくなっていった
ユウは僕と一緒にいても苦しそうな感じがした
誰かにずっと見られているような気を張っている感じ。
警戒している相手に見せる笑顔
信用していない時の作り声
ずっと一緒にいたから大体のことが分かる。
でもどうしてそんな感じなのか分からなかった。
気のせいだろうと見て見ぬふりをした。
その時を境に遊びに行くことが減った。
なんだか一緒にいると苦しくて気を使うようになった
会う時いつも苦しそうな笑顔をしているから
何とか笑わせようと必死だった。
どこで何をしたかなんて覚えていない。
一度も苦しい笑顔が崩れることは無かった
ああ、もう聞きたくないよ、その笑い声
もうやだよ、やめてよ。
そんな心の声を無視して
ユウをどうにかしようと頑張っていた
いつか笑ってくれることを信じて。
でもその努力は虚しく、
ユウはついに僕との縁を切った。
ずっとずっと一緒にいたのに、どうして……
薄々そんな気はしていたが、嘘だと思って頑張ってきた
その頑張りはなんだったのか……
数日は僕の何が悪かったのか、
何か僕がしてしまったのか
自分会議をしては泣き、嘆いた。
何年も一緒に頑張ってきた友だったのだ
きっとこの先も一緒なのだろうと信じきっていた
話をしている時ユウに関わりがある話だと
ユウの話をしてしまう。その度に苦しくなる
縁が切れても記憶は消えないからね
これだけは今でも無くならない
ユウがいれば全世界が敵になってもいいと
本気で思っていた
実は一種の恋だったのかもしれないな
何ヶ月かして、色んな人から話を聞いていると
もう何も思わなくなり、僕からも縁を切った。
どうやら、ユウは評判が悪かったみたいで
友人に縁を切られたことを話すと
元々そういう子だったという人が多く居た
その時はそういう子だったかと納得してしまったが
会った頃はそんな子ではなかったかもしれない
何かがユウを変えてしまったのか……
それとも僕が美化しているだけか……
今では確かめる術は無い
今だから言えるが
少し何かあって切れる絆なら
大事にしなくてよかったと思った。
本当はそんなに仲良くなかったのかもしれない。
ただお互いを知っているだけの仲。
でももう絆の切れる音は聞きたくない。
普段は出ない涙が溢れて
時間が経つほど胸が冷たくなる
誰に言っても去る者は追わずの一言
君が居なくなったあとの孤独感
もう二度と……
聞いてくれてありがとう。
これは結構トラウマになりつつあるけど
今ではもうなんとも思ってないよ。大丈夫。
確かに、苦しくないと言えば嘘になるけど
また仲良くしたいって訳じゃないからね
あともう追う者を見つけたから
去る者なんて知ったこっちゃないよ
君にも苦しいことがあるなら、此処で吐き出すといいよ
誰もがすぐ解決なんてことは無いよ
焦らなくていい。
僕だってすごく時間がかかったから。
気休め程度かもしれないけど
少しは楽になると思うから。
3/24/2025, 5:32:53 PM