桜川 猫未

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懐かしく思うこと。
小さな頃に一度だけ
この世とあの世が繋がる瞬間に出くわしてしまった。
風が強く吹き抜け 私、私の心を攫った。
落陽、暁と言ったところか?
丘の上には着物を着た女性が佇んでいた。
凛と佇むその姿は今でも忘れない。
その女性が空へ手を翳すと、鈴の音が聞こえた。
白い大きな鳥が飛んできて背に女性を乗せると
大きく羽ばたいた。
私も空へ手を翳すけれど、女性は手を振り返すばかり。
あの女性は未来の自分かもしれない。
あの女性は故人だったかもしれない。
一つ分かることは私もあの場所へ導かれるという事だけ
あの女性のモノガタリはまた別のお話で
                       ❧✡

10/30/2024, 9:57:48 PM