アセビ

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『あなたが大好きです!!』
私は突然、会ってまもない
同級生に愛を叫ばれた。

それも、同性に言われた。

『え・・・誰が?』
その場に私しかいないのに
動揺を隠しきれず、わけも分からないことを
言ってしまった。

『あなたのことです、由梨さん』
鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている
私に、手を振りながら彼女はそういった。

パンッ!!

彼女が、見かねて私も目の前で
手を叩き、廊下に響き渡るくらいの
音を出した。

私は、その音に ビクリ!っと反応し
正気に戻った。
『ごめんなさい、私の聞き間違えでなければ
告白された気がしたのですが、気のせいですよね?』
わたしは、とぼけるようにして
聞き返した。

彼女はそれを聞き、改めて私の目を見つめ言った。
『いいえ、気のせいなんかじゃありませんよ
私はあなたのことが好きだと言ったのです。
由梨さん。いいえ由梨』

そう言うと、わけも分からない私を置いて彼女は
その場を去っていった・・・。

そのことがあってから早1年。
その彼女とこうして同棲しているわけだが、

今こうして、寝ている横顔を見ると
たしかに叫びたくなる。
『大好きだよ梨亜』
心の中で、私は叫びながら
梨亜の耳元で囁いた。



5/11/2024, 1:36:21 PM