郡司

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どこまでも続く青い空、か。難攻不落な山のピークに立つときなら、きっとこの上なく素晴らしい風景だろう。(私は登ろうとは思わないけどね)

そんな空も良い。
でも私は、いろいろな空も好きだ。
嵐の気配が近い空とか、雨上がりに虹が出ている空とか、朝の太陽が染める金色っぽい空とか、夕方の茜色が鮮やかな空とか。

彩雲を見たことがある。大きくはなかったけれど、内側から強く光り輝く虹の七色はものすごく美しくて、近くを歩いていた見ず知らずの年配女性を呼び止めて一緒に見上げたくらい、珍しい美しさの彩雲だった。
自分の真上の空に、進む方向へ完全な円形の虹が十一個も光っていたこともある。そのとき私は車を運転していて、太陽の方へ向かって進んでいた。上見て前見て上見て前見て上を見る、という、良い子は絶対に真似してはいけない状態だったが、あんまり綺麗で、わたしは「よい子」でいられなかった。

青空は、言うまでもなく晴れやかだ。
虹は、励ましでもあるそうだ。
雷鳴を連れた黒くてアクティブな雰囲気の雲は、不謹慎ながらテンションが上がる。

私はもう歳をとってしまって、晴れやかでない日もたくさんあることを経験してきた。どんな空の下でも、必死に生きる。
ただ、私がこの人生を完了して旅立つときは、空には晴れやかであって欲しい。なんだか、そう思う。

10/23/2023, 1:09:54 PM