るる

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君が書く本はどんなのかな

どんな物語なのかな







読んでみたい



君に言うと

いいよ。と微笑んでくれた。






君の書く本は、

ファンタジー系の物語だった。

魔法学校に通っていて、魔法を操る。



本に集中しようと

文字を必死に目で追っていても

隣でじっと私を見つめる君が

気になって気になって

内容はすぐ頭から抜けていった。




この人とこの人が

この後仲良くなったりするのかなあ?


ふたつの名前を指さしながら

君に、できるだけ明るく言った。




君の、どうだろうね?と笑う

その顔が忘れられなかった。








君が書く本よりも、

君に興味があるなんて

口が裂けても言えない。




ページをめくる時に

横目で君を見るんだ。



君は、嬉しそうな顔をしていた。



だから、君の書く本を好きだと言った。


君が喜ぶ顔が見たいから。





君は圧倒的な才能があるから

君の本が出版されることも

全然夢じゃない。





私が君に「面白い」って言っても


それは「ありがとう」で終わるんだ。



世の人々が「面白い」と言ったら


君は心から喜ぶだろう。










私、君に何かしちゃったかな。



そうだったらごめんね。

本当にごめんね。


今すぐにでも謝りたいけど、

何をしたのかも分からないのに

謝るなんて都合のいいことはしたくない。



自分で気づきたいんだ。




君に、久しぶりに君の本を読みたいと

言っても、君は新しい話を書き進めるだけで

読ませてくれなかったの。



開いていたはずの

君の心の扉に鍵がかかった気がして、

恐くて、嫌。






私は日頃から本を読む。


でも本を読んでいるとやっぱり

君の本を読みたくなる。










早く仲直りしてさ



君の本を読ませてよ



そして、ページをめくるときに



君の嬉しそうな顔をもう一度見たい。












「ページをめくる」



ページめくるときの
あの音地味に好きです。



















































9/2/2025, 12:12:08 PM