羽根を怪我した
オオワシの君。
私の家の前で寝そべってたから
手当てしてしばらく
私は君を家に置いておいた。
君は飛べないから、
くちばしを器用に使って
私を手伝ってくれた。
朝起こしてくれたし、
ご飯を作る時に
必要な物を取ってきてくれたし、
私が寝る時はいつも横で寝てくれた。
野生のオオワシって
こんな簡単に人に心を開くんだなぁと
少し勉強になった。
何のための知識か知らないけど。
私は夜が怖かった。
でも君となら怖くない。
君は鋭いくちばしと眼差しを持っているし、
治りかけの羽根も持っている。
それだけで
私は君となら何でも出来る気がした。
だから君の羽根が治った時は
野生に帰すのが寂しかった。
元々の環境に帰してあげるのが
一番君のためになるのに。
君も私と離れるのを察したのか
何かを目で訴えた。
数ヶ月一緒に過ごしたから分かる。
うん、そうだね。
こんなクソみたいな私の世界から
君が居なくなっちゃったら。
君が居なかった時、
どうやって生きていたか
もう分からないんだ。
"Good Midnight!"
大きな羽根を広げた君は
いつにも増して
かっこよくて可愛く見えた。
私は君に手を差し伸べる。
君はヒヅメの生えた足で私の手を取る。
私にも大きな羽根が生えたみたい。
月が輝く真夜中、君と飛び立つ。
8/21/2025, 5:36:18 PM