そうして終わりは告げられた。
一方が滅び、一方が生き延びた。
それは慈悲などない戦争だった。
私は歩いていた。
一面は焼け野原であった。
グレーと茶と黒だけが遺り、レンガ造りだった家も、整えられていた花壇も、大きな複合遊具も全て煤けていた。
灰の匂いがした。死んだ匂いがした。何もない匂いだった。
ふとゾッとした。それは此処で鍛えられた第六感だった。
振り返ると少女が瓦礫の裏からこちらを――震える手で拳銃を構えていた。
もう可哀想で仕方がなかった。
私は堪らず両手を上げて少女に近づいて膝をついた。
家族は?家は?友人は?
そんなことを聞いても仕方がないのはお察しだった。
少女に手を差し伸べ、私はこう言った。
「一緒に来ないか。」
少女は煤けていた。しかしまだ生きていた。
疑いを帯びた視線と拳銃を握る手が迷いに揺れて、やがて降ろされた。
「それでいい。」
私よりひと回りもふた回りも小さな手を、握り潰さないように包んだ。
生温く生きた感触がした。
立ち上がった。
私達はまた歩き出した。
4/22/2026, 11:26:58 AM