「明日、もし晴れたら」君がそう言った桜の下。その後の言葉を春風が連れ去ってしまった。あの時、僕に聞き返す勇気があれば……もう少し早く君の隣に居られたのかな。そう問い掛けてみると、君はあの時の桜のように頬を染めてしまった。「明日、もし晴れたら……」いつもより悪戯っぽく君が口を開く。「どこで何をするにも君と一緒なら」開けた窓から風が入り、ひらりと桃色のカーテンが揺れた。
8/2/2022, 8:27:19 AM