「それ」が何であるか分かるまで、感情は全く動かないのに、分かった途端に激しく心が揺さぶられる事がある。
例えば、道端に「何か」が落ちているのを見かけた時、大して気に留めずに通り過ぎようとする。しかし、近付くうちに、「何か」が「車に轢かれた子猫」だったと気が付いてしまった途端に、あらゆる感情が胸の中に吹き荒れる。気が付いてしまったら、気が付く前の自分には簡単に戻れない。
同じ現象が、あなたといる時に起きた。
いつも通り、何でもないような場所で、何でもない会話をしているのに、なぜか少しずつ心がソワソワした。いつものあなたなのに、感情が大きく動かされる予感がした。
あぁ、気が付きたくない
そう思った時には、もう遅い。
あなたの顔を見るのも、私の名前を呼ぶ声を聞くのも、小さな身振りで目に付いた手の美しさも、もう直視できない。恥ずかしくなって目を逸らしてしまう。
あぁ、これは、あれだ。
『恋か、愛か、それとも』
6/4/2025, 11:07:26 AM