流れ着いたメッセージボトル

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キィィィィーーーーン……


その時、強い耳鳴りがなった。
ズキズキと痛む頭を手で抑え、思わず呻き声を漏らす。
息が、苦しい。
気づけばまるで、過呼吸を起こしたような浅い呼吸を繰り返していた。


あれ、……?俺、今、何やって……


と、ぼんやり思考を動かそうとした途端、噎せ返る程の血の臭いが鼻腔を突き刺した。
目の前にはおびただしい量の赤、赤、赤───。

「……ッ、うっ、なんだこれ…………!?」

ふらりと後ずさる。気持ち悪い。気味が悪い。
この血の量……人ひとり死んでてもおかしくないな…と、どこか他人事の様な感想が浮かんで消える。
そこでふと違和感を感じた。

「…ん、…ひとり……?あれ?一人って何?俺一人で行動してたっけ……??」

本当に一人だったのだろうか…?確かに他の奴らとははぐれてしまったけど……、
いや違う、違う違う…!俺は確かに一人じゃなかった。じゃあ誰と?誰?誰だった?

上手く頭が回らず、自問自答を繰り返す。

目が覚めたら俺たちはこの異空間という名の廃校に飛ばされていた。
閉じ込められて、出られなくなって、化け物に追い回されて、皆バラバラになって…。
そうだ、一人じゃなかったはずなのに、思い出せない、何処に行ったんだよ、!!一体何処に…、

ぐるぐると記憶を巡らせ、はたと気づいた。


…いや、待て……人ひとり…死んだ、くらいの……血の量……?


「…なぁ、…………もしかして、“お前”……、俺の…」


血溜まりに目を向け、震える声を絞り出す。

“此処で死んだ人はね、その存在を消されるの。初めから誰の記憶にも存在しなかったように、何も残らない。”

あの女子生徒の幽霊が言っていた事が本当だとするならば。

「…俺の、目の前で……?」

必ず、守ると決めたのに。
皆で脱出しようって、確かにあの時約束したのに。

「〜〜〜〜ッう、あぁ、ぁ、ごめん、守れなくて、……
...ごめん……っ…」


ただひたすらに謝罪を繰り返す。
失った仲間が、誰なのかも分からないまま。




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┈┈┈┈┈┈


……××回目、理科室前にて××死亡……

そう書き残し、パタリと本を閉じる。

??「次は...次こそはきっと.........」


物語はまだ終わらない。


#まだ続く物語 とあるホラゲのワンシーン

5/30/2025, 12:22:17 PM