冬至。

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あたしはいま分岐点へ立っている。
これから先。
右へ行こうか左へ行こうかそれともまっすぐそのままに?
思い切って後ろに進むのもいいよね。
気持ちがいっぱいいっぱいな時って、前しか見えてなくてすごく細くて先も見えにくくて不安になる。
ちょっと顔をあげて深呼吸して周りを見渡せばこんなに道は広がってるのに。
どこにだって行ける。
崖があったって登ればいいし、川だって渡っちゃおう。
選べないなら納得のいくまで悩めばいいし、ちょっと進んで戻ってきてもいいじゃない?
どの道を選べば正解?普通なの?
そんなのどうでもいいよね。
結果、自分が少しでも満足出来る道を通れたらそれだけで全然おっけー!
もちろん楽しいだけじゃない道のりだけど。
ちょっぴりだけど、今日も元気に生き延びた!ご飯も食べれる。ゆっくり眠れる。
そんな日常がしあわせ。
元気ないときは思いっきり落ち込んで、ゆっくりでもいつかきっと起き上がれるから。
だからさー…

「長々演説してくれてるはいいんだけどさー」
止まらなくなった未来論に、後ろから喋る黒猫に強制的に制止される。
「待ってよネコちゃん。いま考えてるんだから」
「そんなこと言って何時間経ってると思ってるの?」
待ちくたびれたと言わんばかりに尻尾をぱたりぱたりと揺らす。
「でもさーなんかあっちはいろんな茂みとかあって楽しそうだし、あの先が見えない道とかも実は楽しかったりして?とか思っちゃうと中々決めれないんだよー!!」
その場でじたばたと騒いでみせる。

「で、結局きみはどの道を通るわけ?」
「もうさ!ネコちゃん選んでくれない??」
「は!?なんか偉そうに自分で選んだ道がどーとか言ってなかったっけ?」
黄色いお目目が大きく見開かれる。
「んーそれもそうなんだけどさーネコちゃんが選んでくれた道もまたそれを選んだあたし?みたいな??」
「とりあえず進まなきゃなにも出来ないしねー!!てことで始めの一歩を選んでください!よろしく」
明るくお願いしたつもりのあたしに黒猫は、
「そこら辺の棒拾って適当に倒れた方に行けば?」
鼻で笑って言った。

という事で、あたしの始まりの一歩は棒を探すことからになりそうだ。


               (見えない未来へ)

11/20/2025, 3:40:58 PM