霜月 朔(創作)

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あなたのもとへ



貴方が去ったあの日から、
幾度も冬は訪れて、
氷の粒を降り積もらせる。

貴方への想いは時と共に、
消えゆくものだと、
信じていたのに。

季節は巡り、
記憶は薄れゆく筈なのに。
貴方の面影だけが、
まるで氷の欠片のように、
冷たく綺麗に輝いてる。

今でも私は、
思い出の中で、
優しく微笑む貴方に、
心を奪われてるんだ。

貴方が、新しい恋に出会えば、
貴方を忘れられるのかな?
でも きっと、
この未練がましい心には、
貴方の幸せすら、
素直に喜べないほどに、
貴方が、深く刻まれてる。

堪えきれない想いが、
私の口唇から溢れ、
風花となって舞い上がる。

私はただ独り。
鉛色の雲に覆われた、
寂寥の空を見上げて、
白い煌めきに祈るんだ。

この想いを込めた言の葉が、
舞い散る粉雪となって、
そっと、貴方の元へ、
届きますように。

1/16/2025, 7:24:07 AM