題 春風と共に
わぁ、春風、あったかいね!
私が言った言葉にあなたはふっと微笑む。
「うん、暖かいね」
あなたの笑顔に嬉しくなって私も笑顔になる。
「ねぇ、桜が綺麗だよ、みてみて、沢山降って雪みたい」
わたしが指差した先をあなたはゆっくりと見上げる。
桜色の薄い花びらがひらひら、はらはらと私たちの前を柔らかく旋回して落ちていく。
「うん、綺麗だね、ちょっと寂しいけど」
あなたの少し寂しげな表情に、私も悲しい気持ちになってしまう。
「桜が全部散っちゃったら寂しいね・・・」
私の寂しげな表情に気づいたあなたは、わたしの頭に軽く手を乗せた。
「でも、また来年一緒に見よう、君と一緒にまた見たいな」
ふわっと頭のあたりが柔らかく優しく感じる。
あなたの触れた所がほんのりと暖かくて、私は胸の辺りに明かりが灯ったような気がした。
「うん、来年も一緒に見たいな・・・その先もその先も一緒がいいな」
私が照れながら切り出すと、あなたの顔がとっても優しくなる。眼差しが柔らかすぎて眩しい。
「そう言ってくれて嬉しいよ。僕も同じ気持ちだ」
ひらひらと周りを舞い踊る桜色の花弁達。
私たちはそんな中、まるでお互いしか存在しないかのようにお互いをただただ見つめていた。
3/30/2025, 12:01:45 PM