ゆーがめ 普通イカの高校生

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『たそがれ』

完全に日が沈む前の、
少しだけ、
太陽が斜めから強く光るとき、
黄昏時だと、教えてもらった。

なんだが、身体が重くて、
なんだか、帰るのが、寂しいような、
そんな時間。
橙色の光は、私の目や肌を刺す。

手を繋いで、少し上を見上げてみて、
にっこり笑うのを見て、私も笑う。
逆光で、あまり見えなかったけれど。

それでも、儚い記憶。
もう数十年も前のこと。
いわゆる父親という存在。
私の中に残る、唯一の、記憶。

だからいつもこの時間になると、思い出す。
たそがれ、の、記憶。

たそがれ どき の、
私の中で、永遠に生き続けて。
たそがれて。

10/2/2024, 3:45:21 AM